浪速区医師会 七十年の歩み

した女性の体が出来上がると、つまり、女性がまるで「花が咲いた状態」になると、その魅 力に憑かれて、男性が接近し、その結果「赤ちゃんの誕生」となるのです。つまり、女性ホ ルモンの主な役割は魅力ある女性を作り、男性を近づけさせ、生殖活動を行なって「子孫を 繁栄させる」といった、一連の「種の保存」に関わる舞台を作りだすことです。しかし、女 性は何時までも生殖が可能ではありません。女性が 30 歳を過ぎる頃より子供を作る能力(妊 孕能)に陰りが見え始め、37 歳から急激に低下して、おおむね 45~55 歳で閉経を迎えます。 さて、この妊孕能が急激に低下してくる 37 歳頃にから、受精卵に染色体の異常が高率に認 められるようになるのです。 そこで、自然が仕組んだ「種の保存」と言う戦略的な見地からみると、卵巣が「何時までも 子供を作る能力」をもつ必要はなく、45~55 歳で閉経を迎えさせ、新たな「生殖作業」は 次の世代に譲った方が進化論の見地からも効率のいいものと推測されます。閉経と共に女性 ホルモンの分泌は停止し、それを境に女性の体は一挙に老化が加速され、世代の交代が早ま ります。 さて、更年期に入って女性ホルモンが減少するとどうなるのでしょうか?更年期に入って月 経が不規則になる頃から女性ホルモンは徐々に減少し始め、月経が無くなると女性ホルモン は急激に減少し、ほぼ消失してしまいます。この女性ホルモンの消失に伴い、多くの女性に 程度の差こそあれ、のぼせ、発汗、全身倦怠感、肩こり等の更年期症状に加え、性交障害、不眠、 皮膚の老化、物忘れ、さらに腰痛、膝の関節痛、動脈硬化症等が現れてきます.これらの症 状は年をとったから、つまり老化現象からではなく、閉経によりホルモンが欠乏したために 起こってきたものです。その欠乏症状に対して、ホルモンを補充することで、更年期の原因 療法を解決することで、女性が元気を取り戻す、それが「更年期のホルモン補充療法」です。 しかし、ただホルモンを入れればいい、というのではなく、如何に安全にホルモンを補充す るかが重要で、それにはホルモンについて精通し、専門性を有する医療技術が要求されます。 最近では、この分野の専門性を担保する専門医制度も整備されてきています。この設立には 大阪大学時代の内分泌研究室の先輩であります、前愛染橋病院院長(元鳥取大学産婦人科教 授)の寺川直樹先生であったことを、一言付け加えさせていただきます。それは、日本内分 泌学会が主管する「内分泌代謝専門医(産婦人科)」の事です。 さて、話の流れをもとに戻します。大学時代、分娩の有無にかかわらず「乳汁が出ている 女性は月経が来ない」また、「乳汁を止めると月経が再開する」ことがわかっていました。 そして、その鍵を握っているのが乳汁分泌を促進する「プロラクチン」であることまでは、 わかっていました。しかし、プロラクチンがなぜ月経を止めてしまうのか、そのメカニズム は明らかにされていませんでした。当時、「乳汁漏出・無月経症候群」は難治性の不妊症で 治療方法の開発が急がれていました。また、ブロモクリプチンというプロラクチンを下げる 85

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